【第三回】アドウェイズのデザインってどうなっているの? チームの凄腕4人を集めて聞いてみたの巻

 

 
 
 
 
8月某日 アドウェイズ本社 会議室にて
 
 

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アドミ:……ねえ、だからさ! アドウェイズのデザインってどうなってんのよ!

 

遠藤:……え? 

 

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アドウェイズクリエイティブディビジョンの遠藤を会議室に呼び出したアドミ。遠藤がリーダーを務めるこのチームに対し、なにやらアドミは言いたいことがあるらしい。

 

アドミ:アタイね、この前インターネットを使っていたら、めちゃめちゃ「カッコイイデザイン」を見つけたのよ。なんでこういう「カッコイイデザイン」を、アドウェイズが作れないのかってことなの!!! うちの会社のデザイン部門はいったい全体どうなってるのよ?

 

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アドミが衝撃を受けた“めちゃめちゃ「カッコイイデザイン」”が気になる方は、この記事を最後まで読んでからグーグル先生に聞いてみることをオススメする

 

遠藤:うーん……。唐突ですね……。だからいきなり私は呼び出されたんですか……。

 

アドミ唐突で悪いわね! 今後アドウェイズは“「クリエイティブ」を売り出していかないとイケナイ”ってことを、その時パソコンの前でアタイは思ったわけよ。でもね、そもそもウチの会社にはどんなデザイナーがいるのかを全く知らなかったの。これだと売り出し方を考えることができないわけ。だからさ、ちょっとさ、アンタさ、部下のデザイナーたち、とりあえずここに呼びなさいよ。どうせみんな暇でしょ?

 

遠藤:暇ではないと思うんですが……呼んでどうするんですか?

 

アドミ本当にアドウェイズのデザイナーとしてふさわしいのかどうか、アタイがもう一度面接して決めることにするのよ!

 

遠藤:(唐突すぎる…人事の許可とってるのかな……)

 

【アドウェイズのデザイナーって、どんな人たちなの?】

 

〜5分後〜

 

ノックの音:コンコン……

 

遠藤:どうぞ。

 

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遠藤:アドミちゃんがどうしてもと言うので、ひとまずうちのチームの若手4人を呼びました。

 

アドミ:なんだかいけ好かないヤツらねぇ……。名前も顔も初めて見るヤツらだから、遠藤から少しだけ紹介してくれない?

 

遠藤:もちろんです。この4人は、仕事内容も性格も異なりますが、とてもいい仕事をしてくれているんですよ!

 

アドミ:ほんとに?

 

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庄司は独特の表現力を持った、周りに流されないデザイナー。梶田はトレンドに敏感で、ファッション系のデザインが得意です。

 

隣の女性の桑原は、とにかくフォントが好きな、フォント女子。ロン毛の男の子は、安代。いまは金融案件を任せています。ってことで、今回はこの4人を面接してもらいたいと思います。

 

アドミ:(なんかこの遠藤って女、よく喋るな……)じゃあね、アンタたち4人は自分のPRできるポイントをアタイに教えなさい! 場合によっては左遷もありえるからね! しっかり喋るのよ!!!

 

4人:(左遷とか唐突すぎるでしょ…)

 

なお、このよく喋る女、遠藤由依は、日本大学芸術学部写真学科を卒業後、2010年に営業職としてアドウェイズに新卒入社。2012年にデザイナー職に異動し、その後デザイナー兼ディレククターとして広告デザイン中心に担当。現在は同社にて50人規模のデザイナーチームの責任者を務めている。

 

 

Case1 絶対黄金比を持っている女 梶田青花

 

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梶田:アドミさん、よろしくお願いします。

 

アドミ:よろしく。で、早速だけどアンタは一体何者なのよ。早く説明しなさい!

 

梶田:はい。私は……梶田青花。25歳、黄金比を自在に操る、絶対黄金比を持つ女です。

 

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アドミ:ごめん、全然意味がわからないんだけど。

 

梶田:まあ、私のルーツから説明しますと……。幼い頃から絵が大好きだったんです。将来は、絵を書きたい。物作りをしたいと、そう思って生きてきました。

 

アドミ:うん。

 

梶田:出身大学の筑波大学では、芸術学部に入り、版画を勉強。そこでも生まれ持った「絶対黄金比」を武器に、さまざまな作品を手がけていきました。

 

アドミ:……ねえ、さっきからアンタ普通に喋ってるけど、その「絶対黄金比」ってなんなのよ? アンタ大丈夫? これ普通の面接だったら、一発で落とされてるからね?

 

梶田:大丈夫です。見ます? 私の作品……?

 

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アドミ:なに、このカオスな作品たちは……

 

梶田:私が幼稚園児の時に描いた作品たちです。

 

アドミ:ってことは、幼稚園児の頃からその「黄金比」ってやつを自在に操っていたの?

 

梶田:もちろんです。実際に、黄金比に照らし合わせてみました。

 

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アドミ:なるほど、これが黄金比…。確かに綺麗に見えるわね……。

 

梶田:「黄金比」というのはエジプトのピラミッドやダヴィンチのモナリザにも使われているんですが……詳しく言うと、1本のラインを2つに分け、長い方を短い方で割った値とその1本のラインを長い方で割った値、いわゆる「1.618」の比率のことです。

 

アドミ:アンタの説明はよくわからないけど、こうやってみると確かに綺麗ね。でもどうやって身につけたのよ。アンタはさっき、生まれ持ったものとか言ってたけど…、そんなわけないでしょ?

 

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これは「リトグラフ」と言って、水と油の反発作用を利用した版画である。上記の版画は、実際に梶田が大学時代に手がけた作品「Dive into bed」である。

 

梶田:父親が彫刻の職人をやっているんです。もしかしたら、その血を継いでいるからなのかもしれませんね。ちなみに父親のむつみは、最近Instagramを始めました。

 

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アドミ:なるほど。いろいろわかったわ。じゃあ今の話を総括すると、アンタは芸術家の血を受け継いだ芸術人間ってことなのね。そう言い切っていいのね? ね? ファイナルアンサー?

 

梶田:大丈夫です。構いません。

 

アドミ:OK。そのまっすぐした心持ちは受け止めるわ。芸術人間がアドウェイズに在籍しているっていう事実もつかめたし。まあ、4人もいると話が長くなりそうだから、面接は以上とする! 帰っていいわよ!

 

梶田:はい、ありがとうございました。

 

 

Case2 独創的なデザインで他を圧倒する男 庄司 輝

 

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庄司:こんにちは、デザイナーの庄司と申します。

 

アドミ:……。

 

庄司:…………。

 

アドミ:さっさと喋りなさいよ!!!!!!!

 

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庄司:何しゃべったら良いかわからなくて……。すみません。えっと、今は26歳で、千葉工業大学出身。グラフィックが好きです。最近仕事ではディレクションとかやってます。えっと……趣味は……

 

アドミ:ゆとりかよ。エントリーシートで落とされるわ普通。よくウチに入ってこれたわね。人事まじで大丈夫かよ。

 

庄司:……。

 

アドミ:そこはいろいろ突っ込んできなさいよ!!!

 

庄司:はい…。

 

アドミ:……で、さっき言おうとした「趣味」っていうのはなんなの?

 

庄司:えっと……こんな絵を書いています。これはコラージュっていう技法なんですけど……

 

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アドミ:おお、なんか良い感じじゃない! 絵のことは詳しくないからよくわかんないけど、若者にウケそうな作品ね! じゃあ今は会社の仕事と、趣味を両立してやってるんだ?

 

庄司:まあ、そうですね。なんか、そのまま続けていって、どちらも良いものを作れたらいいなって……。やってて楽しいのは、趣味の方ですけど。

 

アドミ:ちょっと本格的に人事に相談してくるか……

 

庄司:すみません! 冗談です…!

 

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アドミ:はあ……。本当にもう……。ってかさっき、遠藤が、アンタはトレンドに流されないデザイナーだって言ってたわよ?

 

庄司:そうですね、トレンドはあんまり気にしたことはないですね。でもトレンドって、勝手に町中に溢れているんで、それが自然に頭の中にインプットされているかもしれません。

 

アドミ:見た目通り、本当、なんかいけ好かないわ……。あんた友達少なそうだよね。

 

庄司:あんまりいないです。

 

アドミ:だよね……。とりあえず、もう今日は帰っていいわ……今時の若者はみんなこうなのかしら…… 。まあ、普通に仕事はできそうなヤツだからまだいいか……

 

Case3 「COUNTDOWN JAPAN 15/16」に出演した、神経質男 安代大士

 

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アドミ:じゃあ、簡単なプロフィールを教えてちょうだい。

 

安代:はい。大学は法学部。京都産業大学ってところの出身です。その頃バンドをやっていて、ちょっとだけ売れてた時期もありました。

 

アドミ:へえ、バンドマンだったのね。ちなみに音楽はなにが好きなの?

 

安代:ミッシェルやブランキーなどのガレージ系や、ロック、メタル、J-POPまで、なんでも好き……いわば雑食系ですね。

 

アドミ:そういう大学生っぽい言い方するヤツいるわね……。ちなみに昔やってた音楽と、いまの仕事であるデザインって、何か似ているところはあるの?

 

安代そんなに結びつけて考えたことはないです……

 

アドミ:つまらんな! 関西人のくせに! もっと気の利いた答えを言いなさいよ!

 

安代:すみません……。

 

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アドミ:でもさ、異色だよね? 元バンドマンがデザイナーって。メジャーデビューはどうやってできたの?

 

安代:僕、知り合いのバンドに途中加入したんですよ。それで、なぜか「COUNTDOWN JAPAN」のステージに立ったり、メジャーデビューしてCD出したりして……

 

アドミ「COUNTDOWN JAPAN」って、少し聞いたことあるわ! そんな有名なステージに立ったのになんでバンドをやめちゃったのよ?

 

安代:案外そんな、音楽めちゃめちゃ好きじゃなかったんですよね……

 

アドミ:やめなさい。

 

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安代がギターとして活躍していたバンド「Noise and milk」の音源を聞きたくなってしまった物好きなアナタは、YouTubeで検索してみよう。

 

安代:まあ、詳しく言うと、メンバーが一気に抜けた時期があって、ボーカルと僕だけ残ったんですよ。そこで相談して、もう辞めよっかと……。その時にバンドじゃなくてデザイナーもいいなって思ったんです。

 

アドミ:ふーん。バンドマンで成功するのは、ほんの一握りしかいないのね。ちなみに今、仕事では金融系をやっているんだって?

 

安代:そうですね、今は金融系の、小さなミスも許されないような仕事をさせていただいています。僕、元々理数系が得意で……。ギターもメタラーのように、一音一音神経質に弾いていました。だから金融の仕事が好きなのかもしれないですね。

 

アドミ:仕事とバンド、ちゃんと繋がっているじゃないの! ちなみに今日の朝とかは、何を聞いていたの?

 

安代ガンマ・レイの、ガンマ・レイという曲を聞いていました。

 

www.youtube.com

 

アドミ:めっちゃいい曲じゃない!!!〇〇で〇〇で……! あんたいい趣味してるわね! こういう音楽とかのカルチャー系の知識を持っているやつは少ないから、アドウェイズで重宝するわ!

 

Case4 フォントを溺愛する女 桑原由紀

 

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アドミ:やっと最後ね……。これ、4人も呼んだ必要ある?

 

桑原:よろしくお願いします。

 

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アドミ:またまた幸薄そうなのが出てきたわね……!

 

桑原:よく言われます。月に4回は言われます。

 

アドミ:週に1回じゃない!自己紹介!

 

桑原:あ、えっと、フォントが好きな、デザイナーです。趣味は酒。最近結婚しました。旦那は作曲家です。ゲームも好きです。美味しい食べ物も好きです。あとは……

 

アドミ要素が多い!

 

桑原:すみません…。つい、言いたくなっちゃって……。

 

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小さな生き物をツンツンすることも好きな桑原さん。ちなみに好きなゲームは「真・女神転生III-NOCTURNEマニアクス」で「悪魔全書を100%埋めるところ」までやりこんだらしい。

 

アドミ:で、なに? アンタは「フォント」が好きなの?

 

桑原:そう…ですね。フォントが…好きです。

 

アドミ ……そう。じゃあさ、好きなフォント、5つ挙げてみて。

 

桑原:えーと……では……

 

ドラムロール:ダダダダダダダダダダダダッッ!

 

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アドミ:……急にどうしたの……???

 

桑原:自分の中で盛り上がっちゃいまして……

 

アドミ:ドラムロールまで用意するなんて、アンタすごいわね……それでさ、結局フォントの何が好きなのよ? 

 

桑原「文字組」が好きなんです。私は詳しいというよりも、単純に好きなんですよね、フォントのことが。例えば楽しい時は「くろかね」、悲しい時は「ライラ」など、フォントを使えば自分の感情を伝えるコトができるんです。人をフォントで置き換えたりすると楽しいんですよ。

 

アドミ:急に流暢になったわね。じゃあ例えば、旦那をフォントに置き換えてみるとどうなるの?

 

桑原:そうですね……「サンセリフ」かなと……。痒いところに手がとどく存在って言えばわかっていただけるでしょうか?

 

ちなみに私の中の大切にしているランキングですが、酒>ごはん>フォント>ゲーム>超えられない壁>>>友達>>>旦那っていう順です。旦那は一番優先順位が低いかもしれませんね!

 

アドミ:うちの会社のデザイナー、ヤバいヤツしかいないな……でもまあ、こういう変なヤツがいてもいいのかもね。とりあえず今日はここまでにしておくわ。ありがとう。

 

本日の総括 

 

アドミ:ちょっと長くなかった? 4人もいたら読者も飽きちゃうわよ!?

  

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遠藤:2人くらいで良かったですかね…。ただ、ウチで働いているメンバーたちを実際に見てほしかったんですよ。実際どうでした? 左遷される人、います?

  

アドミ:そうね。少し見直したわ。ってことで左遷は今日のところはなくてもいいかな。でさあ、今後のクリエイティブはどうなってくるの? ちょっと教えてよ。

 

遠藤:ここだけの話ですけど……。今後、どんどん世の中が進化していって、様々な仕事が人の手を使わずにこなせるようになると思うんですよね。いつになるかは分かりませんが……。ただ、人にしか出来ないことっていうのも、絶対残ると思っていて。それの1つが何かを創造する"クリエイティブ”だと思うんです。人の感情に訴えかけるような、「デザイン」は人にしか作れないのかなと。アドウェイズではうちのチームのみならず、そんな広告を作り続けることを目標としています。

 

アドミ:クオリティーを世間が求めてくるってことね……じゃあ最後に、そんなアンタにも聞いておくわ。クリエイティブって遠藤にとっては何?

 

遠藤:私にとっては「人助け」ですかね……。クリエイティブを通して人の役に立ちたい、そう思っています。ただ、チームのメンバーには「自分のエッセンスを入れるようにしなさい」と伝えています。自分の色を1%でも入れることで、やっぱりそのクリエイティブに対して愛を感じられるんですよね。そういう表現者としての魂みたいなものを、いつまでも持ち続けられるデザイナーでいてほしいんです。

 

その上で、成長したメンバーたちが様々な形で「人助け」をしていって、個人としても、チームとしても最高のパフォーマンスを出せるようになれればなと思っています。

 

アドミ:良かった。アンタだけは真面目なようね。結局アドウェイズの中にはアンタたちデザイナーがどんな仕事をしているかを知らない人が多いのよ。社外の人はもちろん、このインタビューは社内でも共有されるんだろうから、アンタの思いがさまざまな人に伝わると良いわね。

 

遠藤: 社内の人はみんな知ってるんじゃないですか? たぶん知らないのアドミちゃんだけだと思うんですが……。

 

アドミ:うるさいわね! 知ったかぶりするより良いでしょ!!!!

 

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おわり

 

 

次回もお楽しみに!